当日は会場がとにかく寒くコートを着ていても足元が冷え込むような寒波でした。
休憩時間には普段飲まないコーヒーを何度も飲み暖をとらなければいけないほどです。
さて講演は以前に聴いたものも多く飽きたため途中で抜け出してプラド美術館に行ったり、
街の散策を楽しみました。
プラド美術館はさすがに世界三大美術館の一つといわれるだけあって展示は豪華絢爛です。
スペインを代表するゴヤやピカソはもとより世界中の有名な画家の作品が数多く展示されていました。
まるで美術の教科書を開いているような気分です。

国立ソフィア美術館の立派な入り口と展示されていたわけがわかんないダリの絵
ピカソのゲルニカはソフィア美術館にあり、そこだけは写真撮影が不可でした。
スペイン内乱に題材をとったこの大きな作品は政治的なプロパガンダの絵画で、
巷に言われるほど特に大きな感銘も受けませんでした。

ゲルニカとミロ
訳がわからない絵としてはピカソをはじめダリやミロ、カンジンスキーなどがありましたが
ダリの絵には商業的成功を狙った商魂しか読み取れず、
画家になりたくてなりたくて親の反対を押し切ってデビューしたミロの絵に
素朴な少年の心が感じられて好感を覚えました。
小林秀雄は岡潔との対談でピカソの絵には無明があるから嫌だと言う風なことを述べています。
これは新潮文庫から出ている「人間の建設」に書いてあります。
「ピカソは男女関係を沢山書いてあるが男女間の見にくいところだけを描いている。
無明という醜悪にして恐るべき一面が人にはあるが、ピカソは無明を美だと思い違いしている。
そういうのは見て美を感じないからいけない。」
と言ったことを書いてあります。
ピカソの膨大な絵を前にしてその意味がよくわかりました。
またその本の中で坂本繁二郎の絵を本当の美だとたいそう褒めてありますが、
坂本繁二郎は昨年ブリヂストン美術館で見た青木繁の同級生で小学校の絵の先生でした。
子供たちを前にして君たちが大きくなって成功したら若くして貧困なうちに亡くなった青木繁君の絵を
集めて美術館を作ってくださいと言ったそうです。この話は青木繁展で知りました。
その子供たちのうちの一人がブリヂストンを作った石橋正二郎でした。
小さいころに先生に聞いたこの話を、成功した後で忠実に実行したのです。えらいですね。
ブリヂストン美術館は当初、青木繁の絵を展示するために作られたのです。
美術館を出て夕食を済ませた後、3iが催してくれた日本人だけのパーティーを遠慮させていただき、
王宮内にあるオペラハウスでチャイコフスキーとストラビンスキーの二本立てのオペラを見て
ホテルに帰りました。

名物イベリコ(スペインの意)豚のハムと
ちょっぴり酸味が効いた冷製スープのガスパッチョ

同行した若い先生たち

オペラハウスと当日の催し物チャイコフスキーのイオランタ
帰りに同行の3人でパエリアを食べました。美味しかったなあ。