その人の持っているオーディオ装置の音の良し悪しは好みの問題で、周りがあれこれ言う問題ではありません。

音は直接耳や体で感じる部分と、耳から入った音を記憶を頼りに脳が再構築する耳の創造とでもいえるものがあるのも事実であるからなのです。

耳は決して皆さんが思っているような物理的な周波数の空間に支配されているものではなく、脳で新しく作るものもあるのだと小林秀雄は言っていました。

曰く 「耳には耳の知恵がある」

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小林秀雄が温泉場で流れてきたラジオの音に「ショパンのマズルカだな・・・・」

と思った瞬間に過去に聴いた記憶がよみがえりそれからはずっといい気持ちだったため音楽を聴くというのはこういうことだったのかとはたと気づいた!

というようなことを五味康祐との対談で述べています。

オーディオマニアの五味康祐を前に、音楽は長い歴史を持った素晴らしい文化なのだからあの周波数が聞こえないこの周波数がどうだとか言うのは音楽に対する冒涜であって、分析的に音楽を聴くことは正しい態度ではないと五味を叱っています。
私もその考えには全く同感で、オーディオの自作マニアにろくな音で音楽を聞いているものがいないことからもうなずける言葉です。
もの凄いお金をかけて作ったどでかい自作のスピーカーで聴いてるのが美空ひばりのレコードたった3枚!なんていう人もいるのです。可笑しいですね。

これを主客転倒といいます。

オーディオ装置は音楽を聴く目的ではなく手段なのです。
それでもいい音は客観的に存在します。

私の考えるそれは何も足さず何も引かない自然な音。。。。。。ウィスキーのコマーシャルのような音なのです。
現在使用している装置がすべてそれに近いもので、稼ぎの大半を費やして40年かかって築きあげました。

皆さん一様にいい音ですねと言ってくださるのは嬉しいですが出来ればソフトのほうを褒めていただきたい。

いい演奏のいい音のレコードはめったにないし集めるには大変な苦労をしたからですがまあ他人にはどうでもいいことでしょう。

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私は臨床が一番の趣味ですがそれに負けず劣らず音楽も好きです。

このたび偶然に求めていた最高のアンプと巡り合うことができました。

昨晩接続し音出しをして桃源郷にいる心地でした。

たぶん自分のオーディオ人生の最終章を飾るものだと思います。

求めよさらば与えられん。。。。。ですね。

あるいは「好きこそものの上手なれ」かもしれません。
趣味に生きる人生は本当に楽しいものです。