10年以上前に「患者よがんと闘うな」の大ベストセラーで一躍名を挙げた慶応大学医学部の近藤誠先生が最近またベストセラーを次々出しておられるので買ってきて読んでみた。

今度のは「医者に殺されない47の心得」と「免疫療法に近づくな」という刺激的な題名の二冊。
近藤先生は以前小生が歯科医師会の学術委員長をしていた折にお呼びして御講演を賜ったことがある。

講演後に秋保温泉にご一泊願って委員会の仲間と一献傾けたがとにかく人柄の立派な優秀な先生であった。ご本人は申されなかったが慶応の医学部を一番で出たらしい。

それまでがん患者に効果のない抗がん剤や無駄な手術で散々患者を苦しめてきた治療の是非をきちんとデーターから解き明かしがんにはそのままほおっておいても大きくならないものや稀には末期がんでも消失してしまうものがあることを報告した。

がんには”がんもどき”という一見悪性に見えて実は良性のものは身体に害がなく、無駄な大手術で患者の体力や気力を根こそぎ取り去って死期を早めることはナンセンス!と言う話は小生含めがん治療に素人の大多数の日本人には大変な衝撃だった。

おかげで近藤先生は医局ではすっかりのけ者にされてしまったらしい。

日本の医学界は製薬業界とずぶずぶなので効果のない単なる”細胞毒”の抗がん剤が多数認可されているという。

直接著者であるご本人から詳しいお話がうかがえたことは役得とはいえ僥倖であった。

本を読んでいたおかげで父ががんに侵された時無駄な手術を極力控えたので最期は何もせずに一年近く家族の下で楽しい日々を過ごし、亡くなる前日にああいい人生だったと言って家族に感謝していつの間にか亡くなっていたのは体中に点滴の管を巻きつけつらい闘病をして亡くなる人に比べれば随分とましだったと思う。

自分も進行性のがんになったら何もせず様子を見て落語でも毎日聴いて楽しく逝ければ最高だ。

近藤先生は結局教授にはなれずにおられるが教授以上の学識と倫理観を持った最高の医師の一人だと信じて疑わない。

皆さんも立ち読みでいいから是非お読みくださいませ。