子供の頃は身体がとても弱く、しょっちゅう病院通いだった。

一番ひどかったのは百日咳でこれは毎日太ももかお尻に注射と、薬の吸引をやっていた記憶がある。

病院に行けない時には開業医の内科の先生が往診に来てくださった。

暑い夏の日にきちんとネクタイを締め往診のかばんを持ってきてくださった先生には威厳があったし、聴診器のひんやりした感触を感じただけでもう病気が治った気がしたのは不思議だった。

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中には脳炎や肺炎を併発することもあるおっかない百日咳菌。危うくパープリンになるところだった。
今はワクチンで予防可能になった。注射のうち過ぎで右足が少し短くなった。

亡くなった母は息子を内科の医者にしたかったようだが本人は全く興味が無く歯医者になった。

漫画を描きすぎたせいだろう。手先が器用だったのだ。
さて最近は歯医者も在宅の患者さんの在宅診療に出かけることが多くなったそうだ。

そうだと言うのは自分では一度もそんな機会が無かったせいで、まさか生涯でそんな機会が来るとは思ってもいなかったが、突然来た。

ずいぶん前に入れたインプラントの患者さんで奥様が長いこと患って外出が不可能な方から電話があり、歯が動いて食事ができないので来ていただけないかとの緊急コールだった。

二つ返事で御自宅に伺い拝見したが見るとインプラントが折れていた。

3時間自宅を空けると痰が詰まって奥様が大変なことになるので外出できないと言う誠にお気の毒な話だった。

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エクスターナルタイプに特有の折れ方です。3.75mmのものは折れやすいようです。
サイズアップすると折れなくなります。

そこで入れて10年までのメーカー保証期間だったので昼休みにお手伝いさんに来ていただいて、その時間にこちらの昼休みの時間を利用して治療することにした。

折れてしまったインプラントをトレフィンバーで除去し、その場で直径の太いインプラントを埋入した。

高いトルクで埋入したのでアバットメントも装着し印象採得まで行った。

3ヶ月後に上部構造を装着して終了の予定。

この間かかった時間はわずか30分。余裕を持って奥様の待つご自宅にお帰りいただけたのは良かった。

高齢化が進み老々介護が大きな問題になっている。

良い経験をさせていただいたがこれからますますこのようなケースは増えるだろう。

インプラント治療はさまざまな問題を内在している。

自分もできるだけ長生きしてそのようなケースに備えておかないといけないと思った。