book_20110426_02

3月22日から診療を再開して以来、途絶えていた患者さんの来院が

少しづつ回復し今日あたりは何となく元に戻ってきた感じがいたします。

それでも定期健診の患者さんの中でお宅を流されたかたや、

親戚知人が亡くなられたかたなどが相当数出ているのにあらためて驚かされる毎日です。
今日来られた海辺の方も奥様のお母さまが流されてまだ遺体も上がっていないそうです。
三途の川で花見でもしているのでしょうと笑っておられましたが、痛ましい限りです。

最近道路いっぱいだった瓦礫の片づけが進んで交通の便が幾分良くなったせいか

東京から芸能人が大挙して押し寄せ炊き出しをやっています。

石原軍団は一週間寝袋に寝て被災者に毎日食事を出していますし、

カリスマシェフの軍団も美味しい食事やデザートで被災者を励ましています。

皆さん仕事をほおって来ていただき感謝に堪えません。
でも被災地の悲惨さはわかりますがこんな意見もあるのです。

book_20110426

曽野綾子さんの著書「老いの才覚」には日本の恵まれた被災者に痛切な意見が

述べられています。
「地震や台風などで被災した時だって、日本は大したものです。とにかく、

その日からパンなどを配るでしょう。途上国では、何日か経って、腹ぺこの被災者たちに

芋や豆を配ったりします。生のまんまです。被災者たちは、ふらつく足で燃料を集め、
煮たり焼いたりしなくては食べられません。

私なら、余震の間にどこからかお鍋を調達してきて、即席のカマドを作り、

倒壊家屋の廃材や備蓄してある薪を使って自分でご飯を炊く。

同じくらいの大きさの石が三つあれば、鍋を置いても安定します。

ブロックでも煉瓦でも壊れた家から失敬してくればいい。その程度のものなら、

非常時は無断借用する才覚も必要です。」

と言って戦争を体験した老人ならではの才覚を述べています。
私たちの大半は戦後生まれである程度の貧乏は体験してもそこまでの経験

はありません。

それでもなお彼女の言うことには一理あるなあと共感するのです。

被災者の一人でも「おにぎりはいらないから米と水と釜をくれ!飯は自分で炊く。」

と言った人はいたのでしょうか。

自分が被災者となったらそんなことも考えないといけないなあ~、と

この大ベストセラーを読みながらしみじみと感じ入りました。