正月休みにP・Gハマトン著「知的生活 The Intellectual Life」を久しぶりに読み返して、頭がリフレッシュされた気分になりました。

「知的生活」とは生き生きとものを考える喜びにあふれた人生のことで、知識だけに偏らない全人的な徳の獲得を奨める人生哲学の名著として古来欧米に名高い本です。
そこには時間の有用な使い方・金銭への対し方から読書法・交際術までいささかの空疎な議論もなく、切実な実体験から生まれた人生の極意が述べられています。
昔東大の総長が卒業生に”太った豚よりは痩せたソクラテスになれ!”と訓示したことがあります。
人は知的に生きてこそ素晴らしい人生を送ることができるということでしょう。

日ごろ読書をしている人の顔は年を取ってきて明らかになるといいますね。
また一方、人を知的にするのは身につけた学識ではなく、生き生きと美しくものを考えることに喜びを感ずる一種の徳であるといえましょう。

歯科医師は日ごろたくさんの臨床的な勉強を余儀なくされますが、それ以上に基礎となる物理化学的な思考や医療を支える倫理的なものの考え方、そういうものを深く考える日常習慣が必要であろうと私は思うのです。
さまざまな講習会に出てあふれんばかりの知識を詰め込み頭がパンク状態の若者を沢山見ます。

私は35歳まででそのような生活とはおさらばすることにしました。
大事なことは年数回行く外国で超一流の先生から学び、日常臨床の草草は雑誌やその他のメディアから受け取り取捨選択は自己の学識経験から行うとルールを決めています。
そういうルールを決めてからは無駄な知識の詰め込みをすることはなくなりました。
これがハマトンのいう「知的生活」です。
20代でこの本に出会えて幸せでした。

たくさんありそうで限られた臨床の時間です。
これからも有用に時間を使って行きたいと思います。