子供のころ父に、学問には、それが世の役に立つ「生きた学問」と

誰の役にも立たない「死に学問」があると教わりました。

父は旧制中学しか出ていませんでしたが、

それでも当時としては親に学問を授けられたほうだったそうです。

その父の近くに昔からの財産持ちの家があり、その家の跡取りは本が好きで

結婚もせずにいろんな本を読んで一生過ごしたそうです。

父はそういうのは「死に学問」と言って何にもならないのだと言っていました。
私たち医学に携わるものは一生勉強を義務付けられたようなものですが

振り返れば意味のない勉強、もっといえば間違った勉強もたくさんしています。

そのときそのときの流行に追われ、ただただつまらない知識の蓄積に明け暮れていた

とは年輪を積んでからわかってくるものですから本当に困ったものです。

それでも私は前述したように20代でハマトンの”知的生活”などを読んでいたので

途中で方向転換出来たのは幸運でした。

若い先生たちには無駄な勉強でエネルギーを費やすことのないように願うだけです。

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私が会長を務めるインプラントアカデミーには様々な歯科医師がいます。

下は東北大学の大学院生から上は私がインプラントを教わった大先輩までと

大変に広い年齢構成です。

また開業地も岩手、福島、山形、東京、群馬ととても広い範囲です。

毎月の例会に出ていただけば間違いのない知識を授けられますが、

遠く離れていたり、さまざまな講演会に出席したりしていると

使えない知識や誤った知識が入り込む余地が出てきます。

それが私としては一番頭の痛いことなのです。
師匠の中村先生も同じような悩みを抱えておられますがあちらは全国区なので

なおさらのことでしょう。

本当に人に正しいことを伝えていくというのは難しいことです。