とは孔子が先生たるものの資格として述べた言葉で、「論語」の中にあり日本人に最もよく知られたフレーズだ。
昔のことをよく学びそこから新しい知識や道理を得ることでこれは歯科インプラントにも当てはまる。

近代インプラント学の父スェーデンイエテボリ大学のブローネマルク先生がその原理を発見し、膨大な実験と臨床のデーターをもとに現在のインプラント治療が体系づけられたのはよく知られたことだ。
しかし一方でその原理から外れた手術方法やインプラントも多く出回るようになってしまった。

より良いものをより簡便にというのは術者にも患者にもメリットがありそうで実はそうではない。
治療の簡略化は必ずマイナスの側面を持つ。

当初はすべてディスポーザブルであった形成用バーが現在は頻回使用となっているし、ブローネマルク先生が好まなかったインターナルタイプがトルクがかかるからあるいは感染に有利?といった理由から市場の大半を占めるようになっている。
使い捨てのバーは他人のたんぱく質を持ちこまないとか、キレ味がいつもいいという大きな利点を持つが使い捨ては費用がかさむ、新しい開発のものはいつまでもキレ味が落ちないというようなあとで付けたような理屈で持って今では少数派になってしまい流行らなくなってしまった。

問題は成功率でこれは表面性状の粗面化でかなりの上昇を見ているからブローネマルク先生の原則はもう考えなくともいいのだろうか?と時々疑問に思うことがある。
臨床は失敗の積み重ねで発展していくものではあろうがそれはやはり亀のようにゆっくりと着実に行くべきものだろう。

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こちらは2009年11月に日本口腔インプラント学会総会東北北海道支部総会でブローネマルクオッセオインテグレーションセンターの小宮山彌太郎先生がお示しくださったスライドです。
御歳84歳で少し弱られたがまだまだ研究に情熱を燃やされているブローネマルク先生です。

ガイド治療も問題は山ほどあり、発熱の問題、見せかけのトルクの問題、削りかすを形成窩内に残さない等々全て一歩ずつ慎重にクリアーして行く慎重さが望まれる。

”温故知新”はすべてのインプラント臨床家にいつも振り返るに必要な言葉であろうと思う。

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我が家のポンコツオーディオ。製作された年代はおおよそ50年以前という代物だが音は最新のCDプレーヤーに引けを取らないどころかしばしば凌駕する。まさに温故知新。オーディオの進歩って何?