およそいまどきの病院で見た目が汚いようなところはないと思うが、40~50年前はどこも木造で薄暗く、悪霊が巣食っているような不気味さがあった。

子供のころ毎月のように通った町立病院も、母がこれまたしょっちゅう通った大学病院も不気味さという点からは似たようなものだった。

一方今はどこもまるでエステサロンのようなきれいな病院ばかりで、隔世の感がありますね。
かくいう小生も以前いたビルが耐震強度不足で取り壊すことになったという通知を受けできたてほやほやの免振ビルに越してきたのが4年前。

昨年の大震災でもおかげさまで何一つ被害はなかったが、周りのポンコツビルは散々な目にあったらしく今でも崩れた外壁の修理に余念がない。

せっかくの新しい診療所は路面店なので外から見えるから小奇麗にしようと考え、設計師さんにお願いして待合室にリヤドロの置物をたくさん入れたガラスケースを設置した。

すると古くからの患者さんが店を間違えたと一旦入って引き返すという笑えない事態が多発した。「ここ歯医者だったのすか?」だと。

やはり歯医者は歯医者らしいほうが良かったですかね?はは。。。。
お話変わって映画館で昨今は洋画が全く受けず、テレビを映画化した邦画が人気なそうな。

小生が高校生の頃は映画といえば洋画。邦画なんて馬鹿にして誰も見向きもしなかった。
当たったのは黒部の太陽と砂の器くらいでしょう。

最近の洋画は日本語吹き替えでないと若い人が全く入らないそうです。

学力落ちたね。

昔は映画館で黒沢良とゲーリークーパーの声質の差を楽しんだものです。
ちょっと前に藤沢周平の「蝉しぐれ」が映画になりました。

小生が最も敬愛する時代小説の映画版はいかに!と勇んで見に行ったが・・・・・・

残念ながらもう一歩の出来でした。

これはしょうがなく、監督もスタッフも時代劇に慣れていない。

昔の邦画全盛期ならいくらでも素晴らしいキャストが集められました。

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日本文学史上最高傑作の小説蝉しぐれとその映画版、テレビ版
いずれも原作の香気は全く感じられず
小生がプロデューサーだったなら監督には眠り狂四郎シリーズの切れ味鋭い三隅研次。

森一生でもいい。

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京都で妾腹の子として出生し戦争でシベリヤ抑留の辛酸も舐めた三隅研次
作風は屈折した生い立ちと相まって深い。
癌のため37歳で亡くなった雷蔵とは無二の親友だった。
田中徳三、池広一夫と共に大映の三羽烏と称され眠り狂四郎シリーズや勝新の兵隊やくざも撮った。

主人公には清潔感あふれる市川雷蔵で主人公に淡い思いを寄せるお福様には八千草薫。

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日本映画界の至宝だった市川雷蔵
清潔感あふれる立ち振る舞いは天性のもの
そして小説の冒頭で無念の死を遂げる厳格な父親役には世界の三船俊郎。

これしかないでしょう。そして悪役には阿部徹に天津敏。

その他の配役も全部当てはめられるがみんな死んだ人ばかりではどうにもなりません。

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日本映画史上稀代の悪役二人、阿部徹と天津敏
阿部は東京商船学校予科、天津は宮城師範学校卒のインテリだった。
怖い顔からは想像もつかないが怒った顔を誰も見たことがないという柔和な人だった。

昔は本当にスターが星の数ほどおりました。

清潔感という話がだいぶ脱線しました。