孟母三遷の教えというのはあまりにも有名な故事なので知らない人もいないとは思うが、繰り返すと、孟子の母が最初は墓場の近くに住んでいたが孟子が葬式のまねばかりするので市場に転居したという。

すると今度は孟子が商人の駆け引きを真似るので学校のそばに転居したら礼儀作法を真似るようになったので、これこそ教育に最適の場所だとして定住したという故事。教育には環境が大切だという教えだ。

世の中には様々な勉強会が有り、小生のところのように月一回集まり何がしかの新しい知識を得て日々の臨床に役立てていこうとしているのが一般的だろう。

うちはインプラントの専門家養成集団の端くれなのでインプラントの話がもちろん多いのだけれど、特段特定のメーカーに阿った会の運営はしていない。

今は良くても10年後にどうなるかは予想がつかないからだ。これはすべてのメーカーに言える。
今日メーカーのS氏が明日のプランニング教室の打ち合わせと雑談にやってきて20年前の症例を見ていった。

たまたまその患者さんが左右の顎関節症になって口が開けづらいというものだから大学に紹介をしその返事がその時に口腔外科から電話があったので見せることになったという次第。

下顎左側の奥に収まった機械研磨のその古いインプラントは、20年後も全くインプラント周囲炎を起こすことなく、骨吸収も認められずきちんと機能をしているのがレントゲンから見て取れる。

反対側にはその10年後に入れた表面に酸処理を施した新しいインプラントでこちらも10年後に異常はない。

こうして一人の患者さんから10年後にも問題ない製品が明らかになり、それを使っていたユーザーは誇らしい気持ちが湧いてくるのだ。

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左下は20年目のインプラント、右下は10年目のインプラント。全く異常は認められない優秀さ。

メーカーが新製品だと言って持ってくる製品の多くはエビデンスがないか少なく信用に足るものは少ない。

先達が残してくれた孟母三遷の教えを引き継ぎ、間違いのない製品を100時間コースでも教えていきたいと思うが学会からの通達で特定のメーカーの宣伝はいけないことになっており頭が痛いところでもある。

今年一年手探り状態ではあるが講義と実習を重ねて、来年度にはさらにブラッシュアップした内容で多くの認定医や専門医を養成していきたいと思っている。

地方の勉強会にありがちな誤った知識に基づく負のスパイラルに受講生が陥らないように細心の注意が必要なことはあらためて言うまでもない。