昨日送られてきたヨーロッパインプラント学会EAOの雑誌Clinical Implant Researchを読んでいたら面白い記事を見つけたのでご紹介。

歯科医の仕事は失われた口腔機能の回復なので入れ歯の型を取ったり削ってかぶせる補綴物の型を取るのが日常の主な仕事になっています。

精密に取った歯型(印象と言います)に石膏を注いで硬化したらその模型の上で歯科技工士が入れ歯やクラウン、インレーを指輪を作るのと同じやり方で鋳造し製作していきます。

ところが最近ではその方法が激変し、口腔内をデジタルカメラで撮影しミリングマシンでジルコニアなどの硬くて審美的な材料のブロックを精密に削り出すやり方に替わってきました。

当院にも設置してあるドイツ製のセレックのようなものです。

面倒な型どりやら石膏注ぎやワックスアップ鋳造などの一連の技工操作をすべて省略し清潔に精密に出来るのは術者にも患者にも大いにありがたい方法と言えます。

しかし本当に精度は両者で変わらないのかあるいはどちらかがより優れているのかはメーカー宣伝を除き不明でした。

そこでハーバード大学のLeeらが従来法とCAD,CAMを使った両者を比較してみた実験結果を発表しています。

それによると両者の差はほとんどなく口腔内カメラで撮影した画像をもとにデジタル印象を取った補綴物は従来法と差がないことが証明されたそうです。

ただし細かい歯の溝の再現性はまだ従来法に分があるということで、これからの改善点になるようです。

歯科医院に技工室を作るとワックスの焼却などでガスが発生して注意しないと職場環境が悪化します。

小生のところでもそれを考えて最初から技工室は作らずすべて外注にいたしました。

おかげで綺麗な空気で毎日診療出来ています。

ただしデジタル処理して作る補綴物はほとんどが保険外診療となるため費用が発生するのは避けられません。

審美治療でアレルギーの元となりうる金属を使わず行くのか、従来法で銀合金で行くのかは患者さん一人ひとりの選択となっているのです。