昨日東京から懇意にしているインプラント関連の雑誌社の記者が来院した。

台風が近づいて蒸し暑い中を背広にネクタイ姿で記者というのは大変な仕事です。

11月に行われる講演会のパンフレットを持参したのでアカデミーの会員に紹介すると約束して食事にお誘いした。

そこで先だってテレビや新聞で騒がれたあの事件の話になった。

インプラント手術で出血多量のため老人が死亡した事件である。

あの事件が報じられたあと全国的にインプラントの治療取り消しが相次いだという話だ。

小生はその歯科医師を知っていたのでありうる話だなぐらいにしか思っていなかったが実態はすさまじい話であった。

断わっておくがこれは”また聞き”によるもので実際に確かめたものではないのだが、どうも件の歯科医師はインプラント手術の前にレントゲンを撮っていなかったらしい!その話を聞いたときはまさにあいた口がふさがらなかった。

もちろんその診療所にはレントゲンは完備してありCTもあるらしい。

それでもその名人は己が技術に微塵の疑いも持たず”臨床医の勘”で行っていたそうな。

ずっとそういう治療だったので今まで死人が出なかったのがむしろ不思議なほど。

何せ年間数千本という気の遠くなるようなインプラントを埋めているメーカーにとっては神様のようなお方なのです(笑)。

今や時代はCTによるガイド治療が主流になりめったなことで医療事故は起きなくなっているのだがこのような事件が起こると時代が何十年も逆戻りをしたような気分になる。

まるで江戸時代の外科手術のよう。

警視庁はことの重大さに鑑み刑事事件として扱ったが当然であろう。

適切な法の執行が望まれるところである。