震災で仕事ができない期間が10日ほど続きました。

数日間は電気もなくろうそくで暖を取る生活でしたが、何のことはない、昭和の子供のころに戻っただけした。

そこで時間はたっぷりあるので足の踏み場もないほど散乱した書斎から本を引っ張り出して来て、

普段なかなか読めない本を読むことにしました。
こんな時は軽いものをと思いがちですが千年に一度の大震災ということなので、

千年の年月に耐える古典を読みました。

最初に選んだ本それはドストエフスキー。”罪と罰”に”カラマーゾフの兄弟”

ドストエフスキーを最初に読んだのは一高生の頃でしたから今から40年以上前です。
手当たりしだいに文学本を読みあさっていた私に、

とてつもない衝撃を与えた初めての作家でしたが・・・・・

いやあとにかく、テーマが重い重い。。。。。

読み終えてこちらがぐったりして精神病になるかと思うほどテーマが重い。。。。

あまりに重かったので続いてシャルル・ワグネルのLa Vie Simple 簡素な生活。

こちらは物を持ち過ぎの現代人に対する批判の書。

近代フランス初等教育を宗教から独立させ、無月謝の義務教育として確立させた宗教家として功績大の人で、

アメリカのルーズベルト大統領から「私たちが心に銘記すべきことをこれほど多く含んでいる書物は、

私の知る限り他にはない」と絶賛を受け、招かれてアメリカで多くの壇上に立ち講演をしたそうです。

ワグネルの言う簡素な生活とは仏教でいう「小欲知足」足るを知るということ。

ワーズワースの目指した「低く暮らし高く思う」とも相通ずるものがある。

風呂に入らなくても、朝シャンしなくても、1日一食でも死にはしないということ。
地震でライフラインが切れた時みな不便な生活を余儀なくされたがその結果得られたものは多かった。

まず見られたのは明かりの消えた交差点での譲り合い。

そして静然と並び物資の供給や購買を待つ人々の群れ。

こんな時には日本人の民度の高さを強く感じ、日本民族を誇りに思わずにはいられません。

外国で日本と日本人に対する評価が劇的に向上したのもむべなるかなです。

そして何よりも感動したのは街の明かりがすべて消えた、夜空に輝く満天の星々。

あのうちのいくつかが震災で亡くなった人たちなのでしょう。。。。

まるで降るような星空を寒さをこらえて眺めていると、

猿から進化した人間の文明のもろさ、はかなさをしみじみと感じるのでした。