アメリカで絶対に認められないのは人種差別、性差による差別、年齢による差別だ。だから歳を取ったからと言って日本と異なり大学教授を首にすることは出来ない。シカゴ大学に若くして海を渡った日本の頭脳流出の第一号南部陽一郎は死ぬまでシカゴ大学の教授だったはずだ。一方で能力による差別はこれは絶対的に認められるし、認められなければいけないということになっている非常に若くして教授にもなれるがその後仕事ができなければ簡単に首になることもありうる。また企業から研究開発費をどれだけ取ってこれるかが教授の成績になるから大変だ。日本の大学のようにいったんなってしまえば定年まで教授職が安泰、ということにはならない。向こうで成功して教授に上り詰めた日本人は皆そういう点でも優れた能力を発揮しているから凄い。

若い時にアメリカやヨーロッパの学会に行って若手研究者の発表を見ながら自分もこういう環境で思い切り研究をしてみたいと思ったことが何度もある。そういう華やかな場で思いっきりしゃべって見たい欲求というものは若い時にはあるもので、開業医で毎日あくせく働いているとふとそういう夢を見たくなるのだ。

アメリカで成功した日本人研究者は日本のように試験管洗いなどはせず(笑)、そういったことは専任の技師に任せ研究に没頭できるから日本に帰って来たくないだろう。今から一流の研究者を目指す若い歯科医には是非向こうで骨をうずめる覚悟で良い仕事をしていただきたいと思っている。

94歳で亡くなるまでシカゴ大学の教授だった日本最大の天才南部陽一郎博士。

当時アメリカで10年後の物理学を知りたければ南部洋一郎の論文を読めと言われたものだ。

究極の理論と言われる弦理論の基礎を築き大統一理論への道を開いたあこがれの物理学者だった。