学生時代は日々の授業にあたふたする毎日だったが開業してすべて自分で考えてやらなくなると突然基礎知識の欠如に気がついて慄然とした。

そこで解剖の教科書をひっぱり出してきて勉強はするもの大切な神経や血管の走行がきちんと頭に入っていなかったり全身の管理が歯科医師は全くと言っていいほど学校では教わっていなかったことを嫌というほど体験し、週末を利用して上京し様々な講習会に出席することがルーティーンになった。

歯周病は東北大学では全く系統だてて教えてくれなかったのでスェーデンのイエテボリ大学まで出かけ最新の歯周病学を全国の御同輩と一緒にリンデ教授とニーマン教授の教えを請うことになった。

やっと立ち上がった診療所を閉めていくのは心配だったがそれ以上に最新の学問を学ぶ期待は大きく帰ってきたらどこから聞いてきたのか先生スェーデンまで勉強に行かれたそうですね!と言って歯周病の患者さんがわんさか来たのには驚いた。

少ない歯でも歯周を管理すれば大きなブリッジが出来ると言う歯周補綴を学び臨床に応用していたが長期間では強い咬合力に負けて歯が折れたり抜けたりする症例が出てきて今度はインプラントを勉強する必要性が出てきた。

全身管理の勉強を医局の教授の同級生の東京のH先生に師事しお教えいただいていたが、その御照会でインプラントの勉強会に入りアメリカにもよく行くようになった。

それでも当時はまだ現在のような良いものは少なく、怪しいものが跳梁跋扈する魑魅魍魎の世界だった。

しばらくその勉強会でお世話になったあと、東京のブローネマルクオッセオインテグレーションセンターの小宮山先生の門をたたき、世界最高のブローネマルクシステムを学び現在にいたっている。

だから自分の臨床は一貫してストーリーがありすべて経験して現在のシステムに落ち着いていると思う。

昔と違い若い方は最初からいいものに出会えて幸せだと思うが、無駄を承知でいろいろ勉強するのもいい。

臨床は結局は自分で体験しないと何物も得られないからだ。

外科医と話をすると手術件数が最も大事だと言っていたので教科書からの知識だけでは臨床はやはり無理のようで、いかにしてたくさんの症例をこなすかはもっとも大事な要素のようだ。

現在は難しい症例もノーベルガイドで簡単にシミュレーションできるので以前とは比べようがないほど安全にたくさんの症例をこなすことができるのはありがたい。

導入にいささか費用はかかるが長い臨床人生を枕を高くして眠るのには必要グッヅなのでまだの方はぜひ考えていただきたいと願う。