よく博士号なんて足の裏の飯粒だと言われる。取らないと気になるし、取っても喰えない(笑)。

学生時代はクラブ活動に入れ上げてあちこち他大学に遠征していたので、本気になって勉強したのは卒業前の一年だけだった。それでも何とか卒業させてくれた東北大学の懐の深さには感謝するしかない。卒業後母校の教授から伊藤君は出来たよなあと言われることもあったが、先生誤解です最後の一年だけですとはずかしながら答えていた。それでも卒業後は真面目に夜遅くまで研究室で研究をしていたので、卒後数か月してできた論文を教授が立派な本の中に入れてくれ大変嬉しかった記憶がある。

きちんとした論文もできないうちに大学の図書館で英語の論文の書き方を勉強していたら、通りがかった予防歯科の助教授の先生にもう英語の勉強ですかと笑われたことがある。順序が逆ですね(笑)。でもその後開業し、時間を作って外国に勉強しにも行き母校から博士号もいただいてまあ順風満帆の歯科医人生だと思っている。

博士号の授与式の時東北大学の総長だったのは、一時期ノーベル賞の最有力候補としてその名が挙がっていた西澤潤一先生だったから嬉しかった。総長はあの大きな目で我々学位授与者をにらみつけこれからは世の中にきちんと奉仕しなさいと言われたことを昨日のことのように覚えている。それからほどなくして同じロータリークラブでお会いすることになるが、その時はとても柔和なお顔で、学位授与式のような張り詰めた緊張感は無かったのが不思議だった。今はめったにお顔を拝見することが無くなったがきちんと総長の言葉をかみしめて毎日奉仕の精神で働いていますよ(笑)。