定期健診にお見えになる患者さんで時折スタッフが先生ここに少し黒い所がありますとか、

窪みがありますと言ってくることがあります。

ほとんどの場合少し様子を観ましょうと言って患者さんにお話をして歯を削ることはありません。

軽く歯の表面を研磨するか、フッ素を塗って次回まで様子を見ます。

若い時はすぐに削って詰め物をしていたことを考えると雲泥の差です。

 

結局歯科治療は健康な歯を犠牲にして何か歯科医の懐を潤す処置になりがちなのは

卒業後からずっと気になっていましたが近藤誠医師の存在を知ることにより疑念が確信に変わりました。

「患者よがんと闘うな」という本で日本中にセンセーションを引き起こしたあの医師です。

 

発売からもうずいぶん経ちますがその当時12年間ほど歯科医師会の学術委員長を拝命しており、

お願いして歯科医師会館で講演をしていただいたことがありました。

会場には一般市民や内科の医師も大勢来て大変な盛況だったことが昨日のように思い出されます。

 

歯という硬組織は自己修復がほとんどない組織ですが、唯一表層だけは溶けた表層のハイドロキシアパタイトが

再石灰化する可能性を秘めています。

だから放っておいても治ることがある。初期虫歯は放置が正しいのです。磨き方だけ教えればいい。

 

近藤医師はがんには本物のがんと偽物のがんもどきがあると述べています。

がんもどきは放っておいても害はないし本物のがんでもいつの間にか消えてしまうものがある。

これはその人の免疫力の差でしょう。

 

出入りの技工士と昔のように大掛かりなインプラント治療は最近少なくなったねと話をしていますが、

保存療法を第一に考えればむやみな抜歯とそれに伴う大掛かりなインプラント治療は少なくなって当然でしょう。

 

患者の要望ファーストでいけばみんなうまくいくはずです。

相変わらず刺激的なタイトルの本を多数執筆されています。

会ってみると大変穏やかだけれど芯の強い立派な方でした。