上智大学名誉教授の渡部昇一先生に教わったのですが、日本の哲学者として、

松下幸之助氏が「タイム」に取り上げられたことがあったそうです。

「タイム」は松下幸之助を表紙に載せて、実業家であり、哲学者であるとして

彼のことを紹介したそうです。

彼のPHP(Peace and Happiness through Prosperity)はスルー・プロスぺリティ

「繁栄によって」という世俗的な言葉が加えられているところがユニークですが

残念ながら死後ももっぱら経営哲学から考察されることがあっても思想家として

振り返られることはありません。
また思想史の中では軽視されていますが日本では江戸時代に「心学」というものが発達しました。

これは仏教であろうが、神道であろうが、儒教であろうが、心を磨く材料になるものは
どんどん使えばいいと考えるユニークな思想でした。これは日本の江戸時代が生んだ

「人間主義」の思想であったろうと渡部先生は述べておられます。
この「心学」を自身の発行する雑誌であまねく世間に広めたのが講談社の創始者の

野間清治でした。
野間清治は維新のあと商売に失敗して剣劇の見世物をして全国を回っていた両親のもとに生まれ、

幼いころから素直で鷹揚で誰にもかわいがられる少年だったそうです。

極貧の中でも両親の懸命な援助で学問を重ね小学校の代用教員になりました。

そしてたちまち子供たちばかりかその親たちにまで大変な人気の先生になります。

それは本をたくさん読んでいるので子供たちが面白そうな話をたくさん知っていて、

授業の合間に「南総里美八犬伝」などの勧善懲悪のお話をどんどんしてやったのです。
八犬伝は「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つの徳目も扱われていて大変ためになります。

そのため授業中に清治が「ここのとこだけ覚えてしまったら八犬伝の話をしてやるぞ!」と言うと

子供たちは夢中になって覚えてしまったそうです。

このことが原体験となって「面白くて為になる」という講談社を貫く思想につながっていくのです。
大学の授業も教授が面白くてためになる話をしてくれたら。。。。。。

もっともっと勉強したのになあ!といまごろになって思うのですが(笑)