たった四本のインプラントで全部の歯を作れるというオールオンフォー。しだいに市民権を得てきて最近お見えになる患者さんも最初から御指名の方も多い。しかし条件は以外に厳しくて、理想は反対側が総義歯の方。これなら無理な力がインプラントにかかることはなく極めて安心。しかし中には物凄く体格の良い方で喰いしばりも尋常でなくおまけに反対側の歯はすべてしっかりとした自分の歯。こういう方はオールオンフォーには不適な方と言えましょう。本家家元のポルトガルのパオロ・マロさんは何も言わないが今までたくさんの失敗を重ねてきているはず。私はこの方法は顎の骨がしっかりしていて歯科医師の注意事項をきちんと守りそうな方だけにしているつもりですが、どこかで穴はあると思う。人の性格は読めません。困っているとつい手を差し伸べたくなるのは決してお金のためではなく医師としての本能だと自分では納得している。あとで苦労するのは目に見えていても他院でこけた患者さんなどは気の毒だからなるべくお助けしているが、本当はそこに大きな危険が潜んでいると識者は言う。本当だろう。大都会の広告を見ると今やオールオンフォー専門店、失礼、専門医院(笑)の名を冠した者さえ現れている始末だ。儲かると思えば経歴を詐称しても誇大広告している輩が多く、学会でも問題視して小生にも通報の依頼が来るが仲間を売る真似だけはしたくないので難しいところではある。自浄作用に期待するほかはなさそうです。

さてインプラントの経験が増えてスキルが上がり何でもできるようになったと思った時が一番危ないと経験上思う。呼ばなくてもいい災いをわざわざ自分から迎えに行くようなものだからです。軽口をたたいた患者さんに限って後で苦労する癖は何年経っても治りませんね。根がお調子者なのでしょう。合掌。