早いものでオーディオを趣味にして45年にもなります。その間に読んだオーディオ関連の本は数知れず。その中にはオーディオ評論家の物もたくさんありました。庶民には買えない高価な外国製品をほめたたえいつかはと思わせる評論もありましたが、一般的には我々が手に届く範囲でどれが一番いいのかを語る評論家に人気は集中していたようです。日本が高度成長に差し掛かるころでメーカーも勢いがありました。今では見る影もありません。

その評論家の中でも18年前に亡くなった国産偏重の長岡鉄男さんと双璧だったがこちらは高価な外国製品礼賛の菅野沖彦さんが先月亡くなっていたという話を知りました。もとは朝日ソノラマで音の出るシート「フォノシート」を作っていた人です。薄っぺらいぺなぺなのレコードですが卓上プレーヤーで再生するときちんといい音が出ていました。彼の書く文章は好き嫌いはあっても文章に力がある名文であったと思います。

その後自分で録音技師として独立しアメリカのマッキントッシュという会社のゴージャスな製品を激賞するので有名な方でした。最近はネットの普及でマッキントッシュの株主でもあったことが知れ渡りたいそうな非難をネット上で受け、それがためにおかしくなってしまったと言われたものです。

”瓜田に靴を入れず、李下に冠を正さず””を考えればまずい行為でした。評論家とメーカーは利益相反してはいけないのですね。

そういうわけで素晴らしい名文家の方でしたが晩年は不幸だったようです。実は昨日彼もたいそうほめていた昔のイギリススピーカーを友人から買いました。合掌。

代表的な録音がCDで出ています。

ゴージャスなお部屋でいい音で聴いていたそうです。一度お邪魔したかった。

毀誉褒貶ありますが、これは立派な本です。