インプラントが最初スウェーデンの大学で産声を上げた時は無歯顎つまり歯が一本も無い人を救うためだったから、歯周病を考えなくても良かった。しかし今や部分欠損症にインプラントが多用されるようになると、周囲に残った歯との共存を図る必要が出てきた。具体的に言えば歯周病との闘いだ。天然歯は有機質でできており細菌の好むものだ。虫歯のバイ菌も歯周病のバイ菌も何とかして歯にくっついて子孫を繁栄させようと日々躍起になっている。インプラントは天然歯と異なり分厚い歯周靭帯が強固に守ってくれないので感染に弱いという特徴がある。そのためインプラント周囲に厚い結合組織が無い時には積極的に歯肉の移植を欧米の学会では推奨している。しかし歯肉の移植は痛みを伴うためなかなか積極的には行われていないのが現状だろう。インプラントに歯周病菌を感染させないためにはひたすら徹底的に自宅での歯磨きと歯科医院での定期的な清掃(プロフェッショナルクリーニング)は欠かせない。こちらは二年間定期検診にご無沙汰だった患者さんのレントゲン像だが、左下の第二大臼歯の炎症が広がっておりインプラントに感染の危険が迫っていた。抜歯が必要と思われる。

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上顎は10年前に入れたもので全く異常なしだが、

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左下は検診を休んだ2年後に7番がひどく歯周病にり患していた。インプラントの危機。定期検診は絶対なのがわかる。